A列車で行こう2001
 

こちらでは、A列車シリーズでの複雑なダイヤの組み方について連載していきます。不定期なのはご勘弁ください。

1回 ダイヤとは

ダイヤの概要

まず、ダイヤグラムの説明です。あまり重要ではないので、参考にだけして、面倒くさければ聞き流してください。ただ多少、用語の解説のようなことも出てきますので、目を通していただくことをお勧めします。
ダイヤとは縦軸が時間、横軸が距離を表します。一般的には起点駅が上段になり、下に向かって「下り」の線になります。斜めに引かれている線が「列車線」といい、一つの列車を表します。俗称でスジといいます。


このダイヤは1分目ダイヤで、1つの目盛りが1分を示します。2分が1つの目盛りの場合もあり、それは2分目ダイヤといいます。通常、E電区間などの過密線区には1分目区間を使用し、中電区間には2分目ダイヤを使うことが多いようです。


(図1)ダイヤの1例
ダイヤの読み方

図1のダイヤに列車線を入れてみました。赤い線が列車線、「スジ」です。このスジを見ますとこの列車は9時ちょうどにA駅を出発、B駅に9時3分に着きます。もう一つスジを入れてみましょう。


(図2)ためしに入れてみたスジ

もう一つスジを入れてみました。このスジは9時3分にA駅を出発し、9時5分にB駅に到着します。つまり、上記の列車よりは速いんですね。ダイヤは速い列車はスジが立ち、遅い列車ほどスジは寝るようになります。編集中にこのダイヤを調整したりするときに使用する用語があります。ぜひ覚えてみてください。


(図3)2本目の列車

用語について
なぶる

いきなり恐い表現になってしまいましたが、これは一度ダイヤ面に載せた列車の時刻を変更したりすることです。
(参考:鉄道ミステリー・パズル 西村京太郎著)

コロス

すでに載せた列車を削除することです。
(参考:鉄道ミステリー・パズル 西村京太郎著)

時刻の上げ・下げ

これはダイヤ用語ではありませんが、なかなかよく使う用語です。運転整理用語で、任意の区間を指定し、その各駅の時刻を指定した時刻分変更します。たとえば、上図の緑線の列車を2分「上げ」ると9時1分発、9時3分着になります。これは指令するときは「上げ」るまえに「A駅からB駅まで」と指定するのですが。
(参考:深迷怪鉄道用語辞典 高橋政士著)

便利なツールのご紹介

Windia : PC上でダイヤ作成、描画のできるなかなか便利なツール。作者はふゆき氏。列車線ほかの色も変更できる。

第2回 時間を計測しよう

 さて、これからダイヤ作成に入りますが、ここで一つお断りをしておきます
 これから作成するダイヤで、もし車両が廻らないとかできないときにむやみに配線切り替えとかをせず、どうにかして現時点での配線で切り抜けることを目的としてこの解説をすることをご承知いただきたいと思います。

 ダイヤ作成には各駅の到達時間がどのくらいかかるかということも重要です。ある程度わかっていれば、あとである程度は楽ができます(笑)まず、ご自分のマップでどの駅とどの駅がどのくらいの到達時間かを計ってみます。

 まずはじめに街の構想のところまで戻りましょう。ご自身のマップでどの列車とどの列車を走らせる、車両はどれを使うというのはイメージできていると思います。完璧なのはスピード1から5、すべてのスピードで各駅間の時刻を計測することですが、少々面倒です。また、時間の計測の前には各駅、どの列車を止めてとか、種別の整理もしっかりさせておかねばなりません。私の作成した中央線で例を上げてみましょう。 ここでは、すでに線路が施設され、駅が設置済み、そして使う車両がすでに決定していることとして話を進めます。もし、PCに表計算ソフトがあるなら、駅名を表に作っておきましょう。(図4)その電車を走らせる区間に一回車両を置いて、時間を計測します。


 速度の種類、駅名を入力します。途中駅は着発も両方書いてあったほうがいいでしょう。通過時刻も書きますのでお忘れなく。
さて、一回車両を置いて、走らせます。始発の駅を0:00として、次の駅まで23分かかったら、着のところに0:23、発のところには15分刻みの次の区切りになりますので0:30と記載します。これは分かりますよね☆通過時刻が0:22なら括弧付けで(0:22)と、発時刻のほうに記載していいでしょう。表計算ソフトですから着発でセルを結合してしまってもかまいません。

 つぎに、前述したWindiaを起動します。各駅の駅名を入力し、さらに3時付近に先ほどの計測した一番速度の遅い列車の各駅間の所要時分を入力します。ここで気をつけていただきたいのは、たとえば当中央線なら東京発300、四ツ谷着334とし、次の列に移ります。で、隣の列の、つまり別の列車として、四ツ谷発300、新宿着339とします。

(図4)表計算ソフトの表。未入力状態

 

 どうしてこんなめんどっちい事をするかというと、A列車の時間経過だとこんなことをしているうちに中央線だと終点の甲府着が6時間後の9時台になってしまったりします。とすると、普通の営業列車のスジを引くのに邪魔ですよね。だから、1つづつずらして、入力をします。隣の駅までの1時間とか2時間とかかからなければ、大体3時から4時までのラインにためしに入力したスジが入るかと思います。わかりにくそうなのでこれも図(図5)を入れておきます。

 横の時間の目盛りは15分目にしておきます。これはもちろん、ゲーム内の列車の動くアクションが15分単位であるためです。

 このようになりましたでしょうか。そうしたら、このダイヤをスタイルで用紙を横設定にして、紙に印刷しましょう。紙に印刷するときに気をつけていただきたいのは各駅停車の線がなるべく斜度45度になるように時間線と距離線の幅を調節してください。列車の線は立ちすぎてても、寝すぎててもいけません。

 なぜここまで来てWindiaでやらないかというと車両の運用の線が書き込めませんからね。ここからはシャープペン(鉛筆のほうがいいかも)と消しゴムの出番です。一般にシャープペンの芯にはプラスチックが入っていますので、下書きダイヤのときはしっかり削って先を尖らせた鉛筆がいいと思います。消しやすいですし。先端恐怖症の人は〜(笑)Windiaでやってください(笑)

 紙に印刷しましたら〜、コンビニやスーパーに紙をコピーしにいきましょう。お勧めはセブンイレブンにあるコピー機ですね。コピーは拡大してください。用紙はA3がいいと思います。コピーの仕方が分からなければ、店員さんに聞いてください。コピーした用紙を見て、張り合わせることを考えて、24時間分なければ、24時間分できるまでコピーしてください。コピーが終わったら今度は張り合わせましょう。張り合わせたら時間線の上のところに時間を(1時間単位で)書き込みましょう。

(図5)Windiaでの各駅間距離のみ入力したところ

 EJAT21の中央線のダイヤグラムを例にして図にしておきます。(図6)は、約24時間分のもので、それをある程度拡大したものが、(図7)の拡大版です。

 実寸にすると15分が6.5ミリ、1時間で26ミリとしています。私も昔はこれの半分ぐらいの寸法で行っていましたが、途中駅の番線を書き込むことができないので、現在はこれぐらいの寸法で行っています。

 番線表示は到着する駅の、下り列車であれば駅の線の上側、上り列車であれば駅の線の上側に縦書きで記入します。(図8)(参考:鉄道ダイヤ情報)
 図を見ながら説明しますと、503Hは三鷹駅の下り中線に到着、約15分ほど停車してから、出発しています。

 車両の廻しの線は、JRをお手本にしますと列車の線同士を楕円で、小田急をお手本にしますと、途中の線は直線になります。これも、参考に図を入れておきます(図9)
 図9をごらんいただくと、青い矢印と赤い矢印があります。青い矢印の線が折り返し、赤い矢印の線が途中駅の退避の線です。この折り返しの線は小田急を参考とし、退避の線はJRを参考としています。
(参考:鉄道ダイヤ情報、鉄道の日イベントで手に入れた小田急のダイヤグラム)

(図6)EJAT中央線のダイヤグラム 
(図7)EJAT中央線のダイヤグラムの拡大
(図8)番線表示の記入の仕方
(図9)車両の回し線の記入の仕方

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