製作記Vol.1 [All Nippon Airways] BOEING777-200 (1:200 by Hasegawa) Page1 2004.8.17

 全日空の新ロゴタイプがハセガワ模型から発売されました。以前に九州に旅行したときに、宮崎空港から帰りに乗ったことがありました。それまでは飛行機というと747のイメージが強かったのですが、このときから777のファンになりました。767はというと、正直あの小ささがどうにも頼りなかったものですから。あれでもワイドボディですが。

※写真
ハセガワ模型(1:200)
ボーイング777-200型キットパッケージ

※ワイドボディ
機内の通路の数による機体の大小の区別。
通路が1本だとナローボディ、2本だとワイドボディという。

 機体後部のAPUの排気口もいいですね。今までの飛行機はAPUの排気口は真後ろを向いていて、機体尾部は丸かったのですが、777では四角くなって丸い機体によいアクセントになったのではないでしょうか。
 さて、模型誌を見たり、イカロス出版刊の「飛行機プラモマニアの基礎知識」他の本を見ておりますと、エアラインプラモの作り方にはある程度のセオリーがあるようです。すべての窓を埋め、デカールを張ってスケールディスプレイモデルのように作る方法と、いくつかの窓を埋めて塗装で仕上げる方法、窓を生かす場合にはデカールの窓部分を切るなど、そのどれにもどうもなじめないんですよね。 ただ室内を細かく作るのも大変ですから、窓にシェードを下ろした状態を再現しようかなと思います。つまり裏側からプラシートを張って室内を隠そうと思います。
 さて、そうなったときに悩むのが塗装の方法です。デカールを張るのがあまり得意でないので、トリトンブルーのこのラインは自分で塗装するとして、そうすると窓にも塗料がまわってせっかくのシェードが青になってしまいます。最初は、機体を接着する前にトリトンブルーを先に塗装して、シェード代わりのプラシートを張り、その後機体を接着して表面処理をし、白を塗装するという手も考えたんですが、垂直尾翼の後ろに、ライトブルーの接合面があることに気が付き、却下となりました。翼の接合部の穴からピンセットという手も考えましたが、ボトルシップを作るより数倍も難易度が高そうでこれも却下。結局、青に染まってしまった部分のシェードをタミヤのエナメルカラーの白で、スミ入れをする気分で後から色入れをすることにしました。エナメルカラーのシンナーはラッカーの塗膜を侵しませんから安心です。

※APU
 飛行機が地上にある時、電気及び空調用空気を供給したり、エンジンスタートに必要な圧搾空気を供給する小型のジェットエンジン。通常は地上でしか使わないが、双発機などでは、空中でエンジンが1発停止したとき、APUで発電機を回して電源の補助として使用する場合もある。ほとんどの飛行機が機体の最後部に装備している。
(FD様のWebより引用させていただきました。Webについては最下部を参照してください。)

●エンジンを作る
 さて、飛行機プラモに関してはまったくの初心者ですから、説明書どおりに作るとします。まずエンジンですがエンジン上部のスジの甘さが気になります(えらそーに )。表面処理ですが、以前からタミヤのプラパテを愛用していたんですが、どうにも乾燥後のヒケが気になります。何せたいしたことのない溝を2週間放置しても ヒケるのですから最近はあきらめまして。
 最近は、接合面に接着剤、サラサラタイプではなく樹脂入りのほうを多めに塗布して、半分溶けた接合面のプラを利用して隙間を埋めるようにしています。さらに隙間が残った場合は、やすりなどで削った後のプラの粉を埋め、サラサラタイプの接着剤を流し込んで、接合面を固めるという手法をとっています。

ちなみに時間的には優位に見える瞬間接着剤ですが、硬さはあるものの強度が弱く、またプラとの硬度差が大きいため、不用意にヤスリをかけると段々になってしまうために、最近は使用を控えて、プラ用接着剤の溶着による強度を増すことを心がけています。
 さて、エンジンの組み立てですが、エンジンのカバー(カウルと呼ぶのでしょうか)の造形を若干失敗してしまいました。最初はですねぇ、モールド甘かったんですよ。で、私自身はキャラクターモデル畑の人間ですから、ここはもっと四角いのではないかと、勘違いしてしまいました。

※プラパテ
ラッカー性のもので、揮発して乾燥する。タミヤのものがポピュラー。

というわけで、「モールドが甘い!」などとぼやきつつ、四角を強調してその周りをヤスリとデザインナイフで削り込んで平面に四角いパーツがくっついているように造形した後、市ケ谷の"のりもの倶楽部"で資料として購入してきた「The旅客機」(三推社◎講談社:刊)の777の項を見てびっくり。こんな四角くないんですね。もうちょっと丸いようです。これはいったん膨らみ部分を平滑にして、t=1mmぐらいのプラシートを貼り付けた後に整形してみたほうがいいようです。さらにエンジン後部の排気口の部分。(排気口といっていいか分かりませんが)ここはパイロンと直結なんですね。 素組みだとスキマが完璧にできてしまいます。

 

ここは、ポリエステルパテ (以下"ポリパテ" )&メンソレータム(以下"メンソレ")を使った方法(エンジンの"テールコーン"にメンソレを塗り、パイロンにポリパテを 盛り、"テールコーン"を押し付けると、メンソレにはポリパテが くっつかないので、型取りができ、別のパーツにできる)も考えましたが、最近の私は学生時代と違って、お仕事のかたわら、ホビーをやる身。しかも、その趣味も模型やWebだけじゃなくて、旅行したり、写真を撮ったり。またカミさんの相手もしなくてはなりませんので、ポリパテを買ってきてもりもりと造形に勤しむわけにもいかないわけではないけれど、なにげにそんな余裕がなかったりして。 と、思っていたんですけど、どうもポリパテで作るのが一番の近道のような気がしてきました。

※ポリエステルパテ
略して「ポリパテ」。主剤と硬化剤を混合させて硬化させるパテ。硬化速度が数十分と速く、硬度がやわらかいので、加工しやすい。「エポパテ」と呼ばれる「エポキシパテ」というものもあるが、こちらは硬化速度が遅い上に、硬度が高く、加工しづらい。窓埋め等に多用される。

なんだかものすごく行き当たりばったりでテキスト書いているのがバレバレなんですけれども、どうやらこの方法が一番効率的なような気がしてきました。ポリパテは最近はどこの模型屋さんでも目にしますし、乾燥時間は速い(速ければ数十分)ですし、しかも半硬化のうちからさくさく、固まってもさくさく削れて(ちなみにエポキシパテ(以下"エポパテ")は固まったら削るのは難儀です。硬化もけっこう時間がかかります。ただ、硬度はピカイチです)、なかなかのものです。ただ気泡ができるのが厄介ですかね。学生時代はかなり使ってたシロモノです。

 ポリパテはなつかしの、というより今も発売していますが、"ワーク"の「モリモリ」という製品(こちら)を使います。今は40グラムのも発売してるんですね。

 ポリパテはまずダンボールでもなんでも厚紙に、布地でないタイプ。ビニールコーティングタイプのガムテープを張って粘土板のようなものを作ります。その上にポリパテ(色は白です)と硬化剤(黄色です)を説明書どおりの分量分出して、色が均等になるまでまぜます。このときにポリパテと硬化剤の分量を間違えないよう、また、色が必ず均等になるようにまぜてください。マーブル状ではうまく固まらずにムラができてしまいます。

 よく混ぜたらヘラで盛り付けます。盛り付けたあとに"テールコーン"を所定のパーツの位置に取り付けます。(もちろんですけど、くれぐれも接着剤でつけないように!!ここで接着剤をつけたら作業の意味がありません)取り付けたらパテが半硬化するまで待ちましょう。半硬化したらデザインナイフで大まかな形になるまでさくさく削るわけですが、ちょっとでも力を入れるとあらぬ方向にナイフの刃がいったりするので小刻みに、力をいれず、なおかつ、彫刻刀を操るように、ナイフの持ち手とは反対の手の親指でゆっくり刃の動きを操ってやるといいでしょう。大まかに削ったところで、硬化までまってください。削りすぎたら硬化したあと、さらにその上にまたポリパテを盛ってください。

 

▲エンジンの形状。左が接合した後、無加工。右は一応接合面のみ平滑にした後。この後いろいろ加工を行って、洗浄後にサーフェイサーを吹いて表面処理に進みます。

今回はここまで。関連画像ができたら追加してUPします。

"APU"についてはFD様のWebページより引用させていただきました。
FD様のページ http://www002.upp.so-net.ne.jp/fdc/index.htm
 

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